BtoB Tech

おもにBtoB系のSaas事業について、マーケティングやプロダクト面から考察するブログです。

コンテンツマーケティング×ホワイトペーパーでリードの精度を高める5つのポイント

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コンテンツマーケティングとホワイトペーパー。どちらもBtoBのリード獲得においてはボリュームの大きいファネルの上部に位置する施策になります。通常はこの段階のユーザーはすぐには商談対象にならず、ナーチャリング対象として継続的なコミュニケーション対象となることが多いでしょう。当然のことではありますが、サービスに対して関心が薄く、「見てるだけ」「ちょっと気になっただけ」「参考にしたいだけ」段階の人にたいして売り込もうとしても当然難しいですよね。
ただ、だからといって定石通りにMAツールでも入れてナーチャリングすればいいのか?というとちょっと疑問です。少なくとも何からの興味関心はあるわけですし、他の事業者と同じようにやっていても出し抜くことは難しいからです。
そこで私が提案しているのが、「ホワイトペーパーでも仮説を持って検証することで受注貢献できるリードを獲得できるようにする」という方法です。野球で例えれば、明らかに敬遠のボールだけどなんとか打つ方法を編み出しヒットにする、という感じでしょうか。ちょっと違う気もしますが、イメージとしては近いと思っていて、誰しもがないと思っているタイミングに逆張り気味にアプローチするのは有効な方法です。
そこで今回は、コンテンツマーケティングで集客してホワイトペーパーで商談や受注確度を上げるために必要な5つのポイントを紹介したいと思います。

①必ず複数種類のホワイトペーパー を用意する

必ずターゲットやニーズをあらかじめ整理し、それぞれに対して課題を解決できるホワイトペーパーを用意しましょう。最低3種類は必要です。複数種類用意することでそれぞれの差がわかり改善や目標設定するベースの数字をを決められるようになります。

②コンテンツとホワイトペーパー の組み合わせを設計する

流入チャネル→記事コンテンツ→ホワイトペーパー資料ダウンロード 、とステップを意識したコンテンツの組み合わせを意識しましょう。記事コンテンツよりもホワイトペーパー のほうが抽象的になってしまったり、コンテンツとペーパーの関連性が薄かったりすると一貫したコンテンツ体験を提供できません。リード獲得後のアプローチ方法も一貫しづらくなってしまいます。

③ホワイトペーパー 内にサービス紹介を含める

とにかくサービス紹介を含めるのでなく、ホワイトペーパー自体をある課題の解決方法にフォーカスし、その解決に必要な手法として自社サービスの紹介を含めた内容にするというものです。ホワイトペーパー にはいくつかの種類がありますが、サービスの検討段階やニーズの強度はまちまちです。これを特定の段階にフォーカスすることで、商談に必要な条件を一定化する効果もあります。

④発生したリードに対して同じ基準でアプローチする

発生したリードに対しては必ず同じルールでアプローチしましょう。あるリードは当日に連絡、あるリードは2週間後に連絡、となってしまっては良し悪しの判定にブレが発生します。

⑤忘れずにナーチャリング施策も行う

リードに対して先んじてアプローチはしますが、どうしてもすぐ検討できないリードも一定数あります。これらはハウスリストとして保管し、定期的なメール訴求や、サイト内行動に応じたナーチャリング対象として扱いましょう。
 
これらポイントを踏まえて記事コンテンツおよびホワイトペーパー を作成することでユーザーに提供するコンテンツおよびサイト来訪から資料ダウンロードに至る体験を一貫させることができます。すぐに全部を実践することが難しい場合は、まず①〜③を意識してみてください。

ホワイトペーパーをBtoB事業のリード獲得に使う場合の問題点

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Photo by Tim Gouw on Unsplash
BtoB向けの、特にSaas事業のマーケティングにおいてホワイトペーパーやサービス紹介資料ダウンロードを活用するのはもはや定番といってもいい施策です。
この資料ダウンロードは、サービスへのお問い合わせや見積もり依頼に比較するとユーザー側の心理的なハードルが低い上に、リードとして必要な個人情報を高い割合で獲得できることが特徴です。サイトに来訪しただけの匿名段階の次のステップとして、ここでいかに母数を確保できるか、重要なポイントでもあります。
しかし、気軽にダウンロードしてもらえる反面、サービスへのニーズがあるかというとユーザーによりまちまちで、総じてお問い合わせよりも質が良くないというのが一般的な評価ではないでしょうか。今回はなぜ質が良くないことが多いのか、にフォーカスしてその原因を探っていきたいと思います。

問題①提供するサービスとの関連性が薄い

サービス紹介資料はともかく、ホワイトペーパーの場合は特定領域のノウハウだったり調査結果レポートなど特定のサービス紹介よりもまず訪問者のメリットになるかどうかが重要です。サービス紹介に寄せるほど売り込み要素が強くなりダウンロード数が落ちてしまうからです。

問題②PDCAができていない

多くの場合、ホワイトペーパーを作成するのにはけっこうな労力がかかります。大抵の人の人生において、学校での作文、卒業論文以上のテキストコンテンツを作成する機会は少なく、せっかく意気込んで作っても「もう次はやりたくない」というムードになってしまいがちです。これにより最初に作成したホワイトペーパーを改善しながら質や量をコントロールするPDCA活動につながりにくくなります。

問題③実はほとんど読まれていない、書かれている内容を実行していない

これは資料をダウンロードするユーザー側の問題ですが、せっかく資料をダウンロードしてもそれが手元にある状態に満足してしまい最後まで読んでいなかったり、書かれている内容が業務の中で実行されないということはザラです。せっかくの力作でも中身が読まれず実行されなければ無駄になってしまいます。

問題④サイト来訪〜資料ダウンロード〜商談化、の段階設計ができていない。

②にも関係しますが、マーケティング経験がないチームの場合、資料を作り上げることで力尽きてしまい、見込みユーザーのサイト来訪や商談化に至るステップを踏まえた施策になっていないことがあります。マーケティングオートメーションでいうところのリードナーチャリングの設計にも近いですね。
来訪チャネルごとに、サイトにアクセスした人がどんな課題を抱えていて、それを解決するために資料をダウンロードして、その人に対してどんなコミュニケーションをすればいいかが重要なのですが、これができていないと思われるケースは多いと思われます。

問題⑤リードに対しての期待値や役割が設定されていない

1回作っただけではわからないのですが、複数の資料をリリースしていくと、資料ごとにダウンロード数やリードの属性(顧客属性やニーズ状況など)、商談化率などに違いが出てきます。この差をベースにしながら、作成する資料ごとにどんな効果を期待するか、数値的な目標を設定するかが重要です。作成数が少ない状態では傾向がつかめないですし、そこそこの量を作っていてもここの把握ができていないというケースもあります。
どれも「なるほど確かにそうかも」というポイントではないでしょうか。しかし、これらを逆手にとれば、競合他社が提供するホワイトパーパーも同じ状況だということです。同じように貢献できていない資料が世の中にはたくさんあるということです。
この状況を改善するにはこれら問題が解決できればいいわけですが、それはまた次の機会に紹介したいと思います。

コンテンツマーケティングはBtoBサービスのリード獲得において効率的な方法と言えるのでしょうか?

 Saasクラウドと呼ばれる形式のBtoB事業においてリードや見込み客獲得を検討する上で一度は検討したことがあるのがコンテンツマーケティングではないでしょうか?
「コンテンツマーケティング」を検索してみると以下のような文章が出てきました。
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。

 なるほど。。近年のWebマーケティングの文脈において登場するコンテンツマーケティングは、たいていがSEOで狙いたいキーワードを設定し、そのキーワードについてGoogleなど検索エンジンから高い評価を得る、もしくは高い評価でなくても量をこなすことでとにかく検索結果に露出するというようなものでした。

これらはいわば、狭義のコンテンツマーケティングで、本来はコンテンツとの接触をもとにマーケティング効果を上げていく取り組みを総称して言うことのようですね。

ユーザーの課題を解決できるコンテンツを設計して、コンスタントにそこそこのボリュームで作成を続けるっことでサイトへの検索経由のトラフィックを増加し、サイト内に設置したお問い合わせや資料ダウンロードCTAから個人情報の入力があるのを待つ・・・たいていのケースではそんな取り組みになっているのではないでしょうか?

それはそれでうまくいく場合もありますし、サイトに訪問するユーザーからすれば価値あるコンテンツがたくさんあるわけですから、なんの問題もないのかもしれません。ただ、上記のコンテンツマーケティングの定義からするとあまりにも短絡的、そして短絡的なわりには、サイト来訪者がフォーム入力してくれるのを待つだけという効率の悪さも気になります。

というわけでこれからコンテンツマーケティングとホワイトペーパーやeBookなどの資料ダウンロードを組み合わせてリード獲得する方法について考察していきたいと思います。リード獲得する上で参考になるホワイトペーパーなどの事例や、無料で使えるSaasサービスなどの紹介も織り交ぜていければと思いますので、よろしくお願いいたします。